レポート2021.04.17コロナ禍での撮影で中止の危機も…『女たち』舞台挨拶
4月17日(土)、那覇市の桜坂劇場ホールAで『女たち』の上映と監督と出演者によるVTRが上映されました。
この作品は、自然豊かな山間の田舎町が舞台。人と人との距離が引き離されたコロナ禍で、今にも崩壊してしまいそうなギリギリの心を抱えた女たちの生き様を描いています。
今回、コロナ禍の中という事で、沖縄の舞台挨拶には参加できず、制作の奥山和由さん、美咲役の篠原ゆき子さん、田中マリアム役のサヘル・ローズさんがVTRで登場しました。
「映画を観てくださったみなさんのリアクションを見ながらお話がしたかった」と奥山さんが口火を切ると、篠原さんとサヘル・ローズさんもその言葉に大きくうなずいていました。「沖縄でどこのお店に行くか決めていたので、本当に悔しい。沖縄そばも食べたかった」と、篠原さんは特に残念な様子でした。
作品の主人公でもある美咲役は「(不幸過ぎて)演じるのが辛かった」と語った篠原さん。それでも、サヘル・ローズさん演じるヘルパーの田中マリアムの存在に助けられたのだとか。奥山さんも「サヘルさんは役を演じていても心の内面が美しいのがわかる。微妙な立ち位置の役柄を自然体で演じてくれた。実は最初は別の人がこの役を演じる予定だったが、コロナ禍で二転三転するという経緯があった。最終的にサヘルさんが演じてくれて本当に良かった」と絶賛されていました。
一方でサヘルさんは「今回演じたマリアムのように日本で介護の仕事に就いている外国人の方も少なくないと思います。最初は違和感から拒絶されてしまうこともあるかもしれないけど、困っている人に手を差し伸べることに国境はないですよね。そのことを今回強く感じました。でも作品中では、その優しさが誰かを傷つけてしまうのですが…」と語りました。
コロナ禍の撮影で、中止の危機にもさらされながらやっと完成したという本作品について「今回スクリーンで作品を観ていただけたことは貴重。スクリーンで観ないと気づいてもらえないこともたくさんあります。この作品をご覧になったみなさん、ぜひ宣伝してくださいね」と奥山さんが述べると、篠原さんとサヘルさんも「ぜひ、感想を公式ツイッターなどで教えてください」とコメントされました。
最後に、主人公・美咲の心のよりどころで親友の香織役を演じた倉科カナさんが登場。「この映画は、みなさんがもの凄い演技をされています。とても凄い映画になっているので楽しんでいただけたら。劇場でお待ちしています」とコメントされ、VTRを締めくくりました。