レポート2021.04.18地元沖縄で製作を続ける岸本監督の最新作 映画館から生まれた“再生”の物語『夢の残像』舞台挨拶

4月18日(日)、那覇市の桜坂劇場ホールBで岸本司監督の『夢の残像』の上映と舞台挨拶が行われました。

この作品は、沖縄の古都・首里の街並みと古びた映画館を舞台に、挫折を抱え故郷に戻ってきた男とその家族や周囲の人間模様を、それぞれの困難な状況も含めて温かくシンプルに描き出した、岸本監督の最新作です。

舞台挨拶は、感染防止対策のため出演者2人ずつで登壇。まず、主役の下地役の嘉人さんと映画館「首里劇場」のオーナー・金城役の新垣正弘さんが挨拶しました。嘉人さんは、自分自身も10年ほど前に主人公と同じように、挫折して役者をやめようと思ったことがあるという経験を話し、「この映画との縁を感じます。俳優として生きていくと決めてから、日々精進しています」と語りました。首里の町に実在する映画館のオーナー役を演じた新垣さんは「実は、首里劇場には小さい頃からよく行っていたんだよ」と自身の思い出を明かしてくれました。

続いて登壇したのは、主人公の妹ジュン役の真栄城美鈴さんと女子高生さくら役の蓬莱つくしさん。真栄城さんは今回、女性同士のラブシーンに挑戦したことに触れ、「キスシーンを演じるのは初めてで、きれいな女性とのシーンになってラッキー!と思いました」と笑顔。また、オーディションで選ばれて映画デビューを果たした蓬莱さんは「撮影の時はうれしさと不安の両方がありました」と初々しい表情で話し、共演者やスタッフのサポートに感謝を表しました。

最後に登壇した岸本監督は「今回、映画祭のプロデューサーから映画館をテーマにしようと提案があって、その中で首里劇場という素晴らしい古い劇場を見つけて、『傾きかけているところから再出発する物語』が生まれました」と作品の誕生秘話を語ります。また、焼失した首里城の映像が作中に登場することに触れ、「首里城は今まで何度も燃えて生まれ変わっているんです。だから希望を持って再生できる」と物語との深いつながりつながりがあることをコメント。登場人物それぞれの未来を感じさせるストーリーに、観客も思いを重ねて見入っていました。

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